紺野道昭通信

Ⅲ.人と組織を深く掘る① 一事が万事に出る(定期発信-Vol.249)

先日、社員旅行に参加しました。

非日常で楽しむ仲間同士の交流は格別で、これこそが社員旅行の醍醐味かもしれません。

 

ただ食事の席で、ふと見えてしまうものがありました。

周囲への気配りや挨拶など人としての振る舞いです。

勿論評価のために社員旅行へ参加した訳ではありません。

せっかくの旅行なのですから、社員には楽しんでほしいと思っています。

ただ、仕事を離れた場面だからこそ、その人の地金が出ることがあります。

 

食事の席で、私の横に座る社員がいます。

お追従目的ではありません。

緊張する席に自分から飛び込むことに意味があるのです。

普通は社長の隣など一番避けたいはずです。

平社員だったころの私がそうでした。

その場の誰よりも一番偉い社長の隣など、恐れ多かったし、良いところも悪いところも見られると思うと緊張しかありませんでした。

それらを気にせず横に来た先日の彼は、大したものだなと思いました。

 

反対に、挨拶をしなかったり、周りが動いていても自分だけ座っていたり、食事の仕方が雑だったりする社員も少なからず目にしました。

一つひとつ細かく責めたいわけではありません。

ただ、やはり「一事が万事」なのです。

 

仕事のときだけきちんとするなど出来るものではありません。

普段の所作やマナー、周囲への気づき方がまさに仕事に現れます。

私は学歴や資格だけで人を見ることはありません。

もちろん、能力や経験は大切です。

しかし、それ以上に大事なのは、自分の存在価値を自分でつくろうとしているかどうかです。

 

会社のなかで何を期待されているのか、どうすれば周りから必要とされる人間になれるのか。

そこを考えられる人は成長します。

私は何でも出来る万能型を求めていません。

営業も現場もマネジメントも、全部出来る完璧な人などまずいません。

野球で云えば、投手は投げること、打者は打つことに集中してくれればよいのです。

大切なのは、自分の役割の中で価値を高めようしているかどうかです。

 

伸びる人には、気づく力が備わっています。

ゴミが落ちていればすぐ拾い、困っている人がいればすぐ動く。

研修や講演会に参加したときも、何か一つでも吸収しようと思って聞いています。

日々の心構えから違いがあるのです。

 

人が変わるきっかけは様々です。

私の場合は、若い頃の入院でした。

自分は何も残していない、命には限りがあると感じたときに見え方が変わりました。

 

ただ、全員がそういう経験をするわけではありません。

だからこそ、当社は研修や講演会、社員旅行など、気づくきっかけを常に提供しています。

受け取るかどうかは本人次第です。

会社が出来るのは機会を与えることだけです。

何を感じ、どのように動くかは、その人自身にかかっています。

 

一時が万事。

日頃の小さな所作を大切にする人だけが、ほんとうの信頼を得られるのです。